夫婦関係の破綻を根拠に離婚に至った事例
事例まとめ
案件概要
A子さんとB夫さんの夫婦仲は、ときどき離婚の話も出てるほどに冷え切っていました。あるころから、A子さんはある男性とAB夫婦が離婚したら結婚するという約束を交わしました。
弁護士はA子さんに、なんとかして男性の存在は隠しぬくように指示しましたが、離婚が成立する前にB夫さんは男性の存在に気づき、A子さんは弁護士のアドバイスに従い離婚協議を進めることで、B夫さんからは慰謝料請求もされずに済み思い通りの離婚が成立しました。
ご相談に至る経緯
A子さんとB夫さんは共に栃木県出身で、県内の職場で知り合った後、20年連れ添い、子どもたちも成人しています。
しかし、夫婦仲は冷え切っており、二人は宇都宮市内の同じ敷地内の、母屋と離れとで暮らしており、ときどき離婚の話も出ていました。ところがあるころから、A子さんはある男性に惹かれるようになりました。
その男性もA子さんにすっかり惚れ込み、二人は、AB夫婦が離婚したら、結婚する、という約束を交わしました。しかしA子さんは、どうやって実際に離婚手続きを進めたらいいのかわからず、当事務所に相談に見えました。
事務所としての活動
弁護士から見ればA子さんの状況は危険でした。いくらB夫さんが「そろそろ離婚しよう」とA子さんと数回話し合っていたと言っても、いざA子さんに他に好きな男性ができたと知ったら、「離婚はしない」「私たち夫婦の関係は破たんしていない」「不貞だ。慰謝料を請求する」と態度を急変させる可能性があったからです。
そこで弁護士は、A子さんに、なんとかして男性の存在は隠しぬき、B夫さんに対し、離婚条件をメールか書面で書き出してもらうように指示しました。B夫さんから具体的な離婚条件が提示され、離婚協議が進んでいることが客観的にわかれば、いわゆる「夫婦関係破たん後の不貞」として、慰謝料請求の対象にならない、そしてA子さんが「有責配偶者」にならないで済む可能性が高かったからです。
A子さんはB夫さんに対し「もう私たちも別居して長くなります。ずいぶん前から愛し合ってもいません。お墓くらいは、別々のところに入りたい。あなたもそう思うでしょう。離婚の条件を話し合いませんか」とメールしました。
これに対しB夫さんは「私もそろそろ決着をつけたいと思っています。離婚の条件は…」という内容の、ファックスを送ってきたのです。
こうして、「夫婦関係破たん」の証拠を取り付けつつ、弁護士のアドバイスのもと、A子さんはB夫さんと離婚協議を進めました。しかし、離婚が成立する前にB夫さんは男性の存在に気づき、案の定「離婚しない」と態度を急変させました。ですが、このときには夫婦関係破たんの証拠はそろっていました。
結果、B夫さんも弁護士に相談したようですが、最終的には慰謝料はあきらめ離婚に応じました。
担当弁護士コメント
A子さんが早い段階で事務所に相談に来てくれたこと、弁護士の指示に、的確にしたがってくれたことから、早期にA子さんの思い通りの離婚が成立した事案でした。
※プライバシー保護の観点から事案の本質(争点、判決やどのような解決したか)に反しない範囲で事実関係を一部変更している場合があります。